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シモキタボイス シンポジウムの記録

【Symposium4】 8月14日(火)16:30-18:00

「文化と生活と街と・下北沢」――歴史が生む磁場

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踏み切りが作り出すリズム

大木 : きむらさんは『下北沢X惜別物語』という本の中で、踏み切り一つ一つはそれぞれ思い出を持っていると言っています。小田急線の地下化が決まり踏切がなくなることで車の渋滞が解消されるのはありがたいが、反面、踏切を待っている瞬間の神経、感情などは排除されてしまう。

会場風景

きむら : 『下北沢X惜別物語』は今年、区の助成を受けて作りました。「エックス」とは小田急線と井の頭線がつくっている記号です。これってすごく大きいことですよね?違います?これがなくなると神経衰弱になる人もいるかもしれない。作家の清水響子さんが『街の座標』を書いていらっしゃるけれど、その座標は「エックス」に他ならないです。小田急が地下化すると、今まではプラスだったものがマイナスになります。「エックス」は、ターゲットです。地図を探すとき、「あ、ここだここだ」と言うところです。明大前はプラスです。豪徳寺は漢数字の7、昔は三軒茶屋はワイだった。下北沢の「エックス」はシンボル性を持っていたと思う。子供たちも、「上の電車には女の車掌さんがいてさ、かっこいいんだよ」「下の電車はでかくて長いよね」なんて言いながら、電車を批評をしていました。

大木 : でも踏み切りは、下北沢だけの特徴ではないですよね。

きむら : 僕がなんでこういうことをしているかというと、目黒線が全部、地下化になったんですよね。今まで地上を走っていたものが突然なくなって、街の人はどう思うのかが気になって調べました。渋滞が解消される、うるさくなくていいという反面、生活のリズムがなくなった。時間がわからなくなった。朝の出勤時、電車を見て乗り遅れないために走るということがなくなった。カルチャーショックです。このようなシンボル性がなくなっていくことに対する惜別の念があるからこれを書きました。

大木 : では「反対」ではなく「惜別」であると…。

きむら : 惜別です。しようがないです。

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