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シモキタボイス シンポジウムの記録

【Symposium5】 8月14日(火)16:30-18:00

海外の目で見た“SHIMOKITAZAWA” ―― そのユニークさと魅力について

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大衆はみんな、政府を畏れてる

神宮 : 「セイブ・ザ・下北沢」に届いた、ピーター・バラカンさんのメッセージを読ませて頂きます。『古くて味のある街が、再開発の犠牲になるのは、もう嫌です。行政側は必ずもっともらしい説明をして、住民の声を一応聞いた上で、結果的にそれを無視し、予定通りの企画を実施します。うちの近所でも同じでした。反対するのはもどかしくなってますが、それでも下北沢の皆さんを応援します。経済より大切なものがありますから。』バラカンさんが住んでいらっしゃる場所でも、実際にそういう計画があったんですね?

会場風景

ピーター : 僕が住んでいるのは都立大学なんですが、大学自体は八王子に移転しました。残った跡地をどうするかをめぐって、行政が住民への説明会を行なっていたんですが、『説明会をやる』という張り紙は一般には通知せず、たまたま区役所に行って張り紙を見ていなければわからない様なモノ。僕は生協の会員で、生協の会員に説明会をやるという話だったので毎回の様に行ってました。行政から一方的な説明があるけれど来る人は二、三人。反対の声を挙げても全く影響しない。出来たものは図書館と体育館、と悪いものではないけど、決め方のプロセスが酷すぎて、嫌な後味しか残らない。

木村 : 下北沢でも住民説明会は何度かあったんですが、結局もう決まっている計画を行政がスライドで見せて、『もうそれで説明はしました』と。その後質疑応答をするんですが、その場でただ言ってもらったことを聞くだけで、そこで出たいろんな意見は全く計画に反映されない。『そもそも何でこの道路が必要なのですか』という根本に関わる質問には、『もう決まっている事ですから』という説明だけで押し切られる。計画の良し悪しとか、内容に関わる以前に決め方が大問題だ。

神宮 : 東京の人たちというか日本人は、やっぱり大人し過ぎる様に思うんですが。ちょっと前にテレビでフランスのデモをやってて、何のデモかなあと思ったら、禁煙反対のデモですよ。シャンゼリゼ通りに、若い人達、お爺ちゃんお婆ちゃん達が、いっぱい集まってるんですよ。『禁煙しろと言う前に、フランス政府は、何故もっとフランス文化を勉強しないか!』と。日本の東京に住んでいると、そんな事が羨ましくなりました。

ピーター : 僕が学生時代に、ちょうど日本の学生運動をニュースで観た記憶があって、それはヨーロッパの学生運動より全然激しくて、警察と学生がヘルメットの色でしか区別出来ない様な、まさに戦い。『うわぁ〜、スゴイ事やるなぁ!』と思ってて。でも実際東京に来たら『何処に居る訳、そういう人達って?』って思って、余りの大人しさにすごく驚きました。あの姿勢はどこに消えてしまったのかなと思って、ひょっとすると陰謀だったのじゃないかなと思います(笑)。受験地獄って言う現象は、あの直後くらいから始まってますよね。あれは、文部省が生徒達を忙しくさせてストレスを溜めさせて、学生運動をする元気を奪ってしまったんじゃないか?

会場風景

神宮 : 人に迷惑を掛ける事が良くないのは、当然の事なんですよ。でも、声を出す事は出来る。何故声を出す事をみんなしないのかな?と思うんです。

ピーター : 声を挙げないと、お上の方は怖くないと思う。マイケル・ムーアの『シッコ』という新しい映画があります。アメリカの医療制度の内幕を暴くドキュメンタリーです。もう引退してると思いますが、イギリスのフォーイ・ベンという政治家が出てきて、正確には思い出せないけど民主主義について、印象的なセリフを言うんです。『民主主義とは如何に革命的な存在であるか。民主主義とは、政治家が民衆を大衆を畏れなければならない制度だ』と。要するに、当選する為には投票してもらわないといけないんだから、みんなの希望を気にしなければならない。でも、マイケル・ムーアがその逆を言う。『大衆はみんな、政府を畏れてる』と。今のブッシュ政権はまさにそうだと思うのですが、ちょっと考えたら、日本もそんなにアメリカと変わらないかなと思います。日本は、民主主義国家という事にはなっているんでしょうが、その民主主義の中身はフランスやイギリスと同じかというと、決して同じではない。

ノア : 自衛隊のイラク派兵の時でも、日本国民は大体90%くらい反対してたのに、勝手に派兵しましたよね。

神宮 : 下北沢再開発も、同じ構造なんですよね。ここで反対しなければ開発されてしまうでしょう。でもここで踏ん張れれば、新しい日本のモデルケースになれるとさえ思います。

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