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シモキタボイス シンポジウムの記録

【Symposium5】 8月14日(火)16:30-18:00

海外の目で見た“SHIMOKITAZAWA” ―― そのユニークさと魅力について

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経済って何で成長しなければいけないんだろ?

ノア : 下北沢は友達が仲間になりやすい街だし、自分の趣味が見つけられる所が凄い。それをなくすのは凄い余計。偉い人に気付いてほしいのは、人間サイズのこと。ビルが建つと家賃も高くなるし個人で店をやっている人も辛くなるだけで、渋谷や新宿みたいにチェ−ン店しか出来なくなっちゃう。下北沢には、ミュ−ジシャンとか、絵を描いたり、ア−ティストが多いのに、そういう人を遠くに行かせようとしてるんじゃないかな?

会場風景

神宮 : ノアが言う『人間サイズ』っていうのは、絶妙なバランスで今の下北沢があるっていう事なんですよね。なぜ、それを壊すんでしょうね?

ピ−タ− : 答えはすごく簡単、単純だと思うんですよ。経済成長。世界は経済成長という変なマントラに洗脳されてる。経済って何で成長しなければいけないんだろ?すごくおかしいと思うのは、経済がダメになった時に『マイナス成長』って言うんだよね。成長ってのを絶対諦めないんだよね。人間でも動物でも、若いうちは成長するんだけど大人になったら成長しなくなるもの。国の経済もそういうふうに考えればいつまでも毎年何%も大きくならなきゃいけないって事は自然界の摂理に反する事じゃないかな。資本主義という制度は行き過ぎてしまってて、バランスを崩してしまってるようにしか思えない。だから、それでも無理な経済成長を求めると、何かを犠牲にしなくちゃいけない。その『何か』は文化であったり、人間同士のコミュニケーションであったり。

会場風景

木村 : 下北沢が今、経済に失敗しているかというと必ずしもそういった事ではなくて、ある意味、完成形態だと思うんです。渋谷のような経済的な成功ではないけど、違う形での成功形態。この下北沢のあり方を、経済のあり方を積極的に肯定しないでまったく違うものに作り替えていって、六本木や渋谷や池袋のような形で大資本が入ってくるような形に変えていくことはホントもったいない。こういう小規模でやっていくのは、経済のあり方であるし、生活の仕方でもあるし、文化のあり方でもある。つまりライフスタイルの問題。こういうライフスタイルを肯定していく事をもっとやっていきたい。

ノア : 下北沢では、お金をかけてお店を出しているところはすぐつぶれる。それは儲かろうとしてるからです。だから、全然人がこない。街に合わないと思う。ジンギスカンが流行ってるからといってジンギスカン屋をつくって・・・まあ結局無くなって、つぶれて、また違う店をやっても同じ事のくり返し。お金をかけてやりたいんだけど、その街に合ってないから無理。何十年も続いているお店があるって事はとっても大事な事だと思う。

ピーター : 下北沢に住んでる人も、遊びに来る人もそういうイメージを持ってるからこそ来る。再開発でそういった人達が家賃が高くなったからといって立ち退くってなったら下北沢という街がすごく損をする事になる。

ノア : 一回くらいデモやってもいいんじゃないかな?そういう事は出来ませんかね?日本でこういう事をやると犯罪って事になっちゃうんだよね。不思議。

ピーター : 街は自然に変化するものですよね。でも再開発で無理矢理変えてしまう事には何の意味もないし、ヘタすると失敗してしまう事も多い。最近できたミッドタウン、あれは再開発の中では非常によく出来たもので、ゆったりしてるし、気持ちがいいし、後ろに公園もあるし、決して否定するものではない。でも六本木だからこそ、あの敷地だからこそ、ああいうものを作る意義がある。下北沢は、街が出来上がっててちゃんと雰囲気もあって、おっしゃるとおり経済的にも大繁盛してるわけではないけれど、ここで商売してる人が文句をいってるわけではない。ほっといたっていいじゃん、っていうところだと・・・。

神宮 : この計画がさらにおかしいのは、小田急線が地下になってできる上の跡地を何にするか、わからないんですよ。

会場風景

木村 : 税金を投入して地下化をやって作られた土地なんだけど、それがほとんど小田急のものになってしまうんです。本来なら、税金を投入しているわけだから、コミュニティの人達がどういうふうに使いたいかということを話し合って進めていくべきだと思うんですよね。

ピーター : まずその情報をもらわないといけないわけですね。きっとどこか大きな企業に土地を売却する約束をしてるとか、そういう事なんだろうね。さっきも楽屋で話したんですけど、ずっと世田谷区議会にいた大河原まさこさんっていう人がいて、生活者ネットワークっていう小さな政党だったんですけど、今回はじめて民主党に頼まれて参議院で立って入った。生活者ネットワークっていうのは生活クラブっていう、生協と関係してる団体。うちも二十年くらい生活クラブに入っているけど、良心的なんです。だから大河原さんもそういう意味では基本的にいい人だと思う。世田谷区からそういう人が参議院に入ったから、住民が、そもそも自分達の代表なんだから、連絡をして『下北沢でこんな事が起きてるんだけど調べて下さい』って言うといいんじゃないか。アメリカだったらみんな選出議員に手紙を書くとか電話をかけるとかして、自分の生活に関わることを調べてもらうなりする。みなさんもそういうふうにすればいいと思います。そういうふうに民主主義を機能させることは、選挙権がある方だったらある意味、義務だと思います。

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