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シモキタボイス シンポジウムの記録

【Symposium6】 8月15日(水)14:00-15:30

エンディング・シンポジウム
シモキタの未来図を描く ―― 魅力ある街とは・駅前広場のあり方は?

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シンポジウム

高橋 : では、街の歴史と計画の問題点、代替案について、早速パワーポイントを見ていただきます。よろしくお願いします。

 

会場風景二瓶 : (プレゼンテーション資料を見せながら)この街は近世の農村を基本に発展してきています。東京の山の手はほとんどそうですが、関東大震災で被災された下町の人たちの受け皿になっていきます。昭和14年から30年という年月で大きく都市化されています。強い都市計画がなくてヨーロッパの中世に似ている。時間をかけてゆっくりと造られてきた街です。独特な道、人間的な、吸い込まれるような道を形成してきました。建物の用途は、要素もいろいろ混在している。細い道、住宅が形成されてきた。南口商店会、北の商店街、本多劇場を中心に演劇などが混在している。北側は道路がグリッド状になっていて、いろいろなところに広がっている。歩いて楽しいのが北口の特色。南口は、北より古い時代から大地主が土地を貸したり売ったりしてできてきた。一番街はもっと古い。地形も坂道が独特な都市景観を形成している。エリアも、住宅地、飲食エリア、おしゃれな商業集積が発生したエリア、演劇音楽エリアなど多様な建物が混在しています。
 現状の問題点についてです。線路をはさんで南北が分断されているので、地下化は南北が結びつくよいきっかけになります。道路の細さによる問題もある。例えば違法駐輪などはアタマのいたい問題です。まとまったオープンスペースがないのが今のシモキタとしていいのだという意見と、ストリートミュージシャンのため、待ち合わせのためにもまとまったスペースが欲しいという意見がある。公共のスペースが少ない。管理された私有地が多い。従来からの住民と来訪者がバランスを取っていかないといけません。
     自然発生的に形成された魅力的な都市空間が、道路ができることでどうなるでしょうか。影響は計り知れません。地区計画は、道路が広くなると高い建物が建てられるようになるなどの街並み誘導を行ないます。道路を広くしてセットバックをすることで大きな建物が建てられるという仕組みの地区計画です。建物を建てられる人に有利な地区計画になっています。シモキタらしさとはなんなのでしょうか。自然発生的であり、一律な都市計画でつくられていない都市空間です。そのシモキタらしさを守っていかないと街のブランド性が失われてしまいます。
 
 このような条件のなかで過去さまざまなグループが代替案をつくっています。それらの前提である世田谷区の案は、下北沢を大きな商業中心地として人を集めるというヴィジョンです。ロータリーがあり、これまでの下北沢とはまったく違う都市空間になります。小田急線跡地については、マスタープランがあるのかないのかはわからないが、自転車置き場の場所、公園、駅前広場の場所などが3月に発表されています。

 

関根 : 代替案のうち、「シモキタ商店振興組合街づくり委員会案」について説明します。商店街の人に依頼をうけて、私は2000年に(代替案を)一緒に考えることになりました。その結果がこのパンフレットになっているものです。
この案の一番の特色は、真ん中に交通広場を作るのではなく、面的な商業地区が長年かかってできてきた中心部には車の入らない地区をつくって、歩行者優先の地区をつくろうというところ。地上レベルは環境グリーンベルトでつないで、シモキタ周辺は歩行者しか通れないようにします。なくなる部分である駅前マーケットや商業施設は地下に移し、迷路のように張り巡らす。両端に交通広場をつくって輸送などのサービスはそちらからにしてもらう。南口は北口より半階ほど下がらせます。当時、「立体交差事業のセットで道路ははずせない」ということだったので、道路計画は地下にするということにしました。できれば地域を分断しないようにしたいと思って作った案です。

二瓶 : 代替案のうち、「ハーバード大学 ピーター・ロウ教授スタジオ案」は、補助54号線については、井の頭線沿いの道をなんとか工夫することで、膨大な立ち退き買収を緩和しようという案です。提案としては難しいでしょうけれど、オーバーハンドをつくったり側道とかによって、なるべく破壊をせずに土地買収から救われる部分がでるようにする。西方が高くなるということで、自然勾配を利用した駅前広場を提案しています。
「慶応大学案」は、小田急線跡地に着目した代替案。一律に駅周辺と54号のところで容積率を上げるのではなく、小田急線の沿線、敷地をうまく利用してモールをつくって土地集積を造っていこうという面白い案です。外側にもうひとつ、商業集積地をつくり、中側は、歩行者のための空間にするという案。
「明治大学案」は、小林正美さんが明大教授なので比較的現実性の高い案になっている。地下からの出口から中心は歩行者優先にして、必要最小限のバスターミナルをつくる。また、面白い計画をたて、賑わいのある店頭にして、駅前市場のDNAを残していけるようなマーケットをつくるというものです。


金子 : (「Save the 下北沢案」のスライドを見せながら)まず、54号が不要である理由を考えました。交通量データをみると800m北側を走っている井の頭通りが、54号線をつくろうがつくらなかろうが、キャパシティの半分しか走らない。次に、鉄道と今ある道路の交点に交通広場を設け、環状7号と井の頭をつないで、サーキュレーションしながらうまく廻すとよいと考えました。防災については、とても危険といわれるところが2箇所あるが、それも小田急跡地を利用することで解決できる。駐輪場を背骨に近いど真ん中に置くことも考えました。

二瓶 : 「下北沢フォーラム」は、市民代替案を二つつくりました。必要最小限の54号線だけ作る案と、54号線は作らない案です。

高橋 : ちょっと補足説明させていただきます。二瓶さんの説明した市民代替案というのは、「下北沢フォーラム」が考えたというものではなく、広く市民にもお声かけをして参加していただき、専門家の方たちにも来ていただいてシャレットワークショップをやって市民案として作ったものです。それで、専門家の方たちにも「これは実現性がある」ということでお墨付きをいただき、しかし、世田谷区には無視をされたという経緯があるものです。

金子 : 跡地利用について世田谷区は駐輪場とポケットパークのプランを出しているのですが、駅舎が跡地を大きく分断してしまっています。行政案によると東北沢から下北沢にかけて地下化のために穴を掘るわけですが、土を掘って運んで、また埋めるんですよ。それがもったいないので、なんとか地下1階の部分を利用できないか。駅を線路上につくるのではなく、脇に作ることによって、分断せずに緑道をつなげることができる。大きな芝生のスペースも欲しい。地下1階に大きなスペースがあるとしたら、下北沢の場合はいろいろな使い道があるのではないか。演劇の人たちの稽古場も、大声なので嫌がれることがあるというから地下がいいだろうし、ライブをやる音楽の人にもいいだろうと思います。

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